専門家向けセミナー当薬局では、過去に国内で漢方の薬剤師、医師向けの専門家向けのセミナーを実施し、臨床面における煎じパックの有用性を紹介してきました。ここではその一部をご覧いただけます。これらは全て私どもの薬局の漢方に対する長年の研究成果であり、全てオリジナルの内容です。セミナー内容の公開は医学の発展に資することを期待してのものですが、当薬局の許可なく内容について複製及び転載することは固く禁じます。セミナーおよび各スライドの内容の著作権は薬煎院薬局にございます。2018年より6回以上に渡り福岡、東京、群馬、大阪、名古屋にて煎じパックの有用性を紹介してきました。以下はセミナーで使用したスライドの一部です。 エキス剤では煎じ薬(煎じパック)に比べて成分の欠損や消失が起こります。つまり効果的には煎じパックのほうが強く期待通りの効果が望めます。煎じパックは長期服薬が必要な慢性疾患治療ほど、その有効性が明らかです。漢方薬は主に植物の生薬を煎じて作ります。それゆえに食物繊維が豊富に含まれます。この食物繊維は腸内善玉菌の餌となり、腸内フローラを改善し、現代病の治療、予防効果が発揮されます。漢方薬に含まれる食物繊維により腸内善玉菌フローラが改善されると、色々な病気を治したり予防したりすることが出来ます。そのほんの一部をご紹介します。漢方薬に含まれる食物繊維によりなぜ病気が治るのか。その仕組みの1つをアトピーを例として紹介します。腸内に善玉菌が増えると善玉菌は食物繊維を餌として増え、その際に酪酸などの低分子脂肪酸を作り出します。これが体の中で制御性T細胞(Tレグ細胞)を増やし、その結果としてアレルギー抑反応が抑制されると考えられます。実際、漢方薬によるアレルギー抑制はアトピーに限らず同時に花粉症なども根本治療可能です(抗原や発症部位を選びません)。 長期間漢方薬を服用すると体質改善されることが知られていますが、なぜ体質改善が起こるのかは分かりませんでした。しかし漢方薬には沢山の食物繊維が含まれることから、漢方薬を継続服用すると(つまり腸内にコンスタントに食物繊維が供給されると)、食物繊維を餌として腸内善玉菌量がプラトーに達します。善玉菌が増えるとと全その代謝物質も増え、さらに常に供給されることにより、結果として体質改善がもたらされると考えられます。薬煎院薬局ではアトピー治療に煎じパックを用い、1年半~2年弱の期間で根本治療を可能にしています。この効果は煎じパックだからこそ成し得るものだと確信しています。追跡調査の結果より、治療後は漢方薬を止めても再発することはほとんどありません。煎じパックはエキス剤と違って処方中の成分の欠損などがありません。また煎じムラもないため、漢方薬としてはこれ以上ない効果を発揮します。この例は煎じパックを不妊症治療に応用した例ですが、服薬1か月目から患者さんの子宮内膜に厚さは受精卵の着床に適した数値まで肥厚してくるなど確実な効果が得られます。煎じパックはドクターショッピングに疲れた患者さんに対し、最後の希望を提供可能です。煎じパックはエキス剤のように成分や食物繊維に欠損などが無いため、漢方薬として最高の効果を発揮します。使い分け方法としては、長期服薬が強いられてる慢性疾患治療ほど、煎じパックが有用です。一方、短期服薬で済む急性および亜急性疾患では、エキス剤の方がコストや利便性が高いと言える。両者を上手に使い分けることにより、患者さんにとってより良い治療が行えると言えます。 2020年12月17日2024年7月19日Posted by 薬剤師 井手